柾樹はどんな顔して見てるんだろう…。
こんな時にも気になるのは柾樹の存在。
…いや、こんな時だからこそ余計に気になる。



てか寝てるかもだし!
つまんなそうに見てたから寝てるかもだし!!



だってさっきから柾樹動いてないしね!!


寝てる。寝てる。

いや、寝てろ。寝てろ。寝てろ…


そう願いつつ柾樹の方をちらりと見ると目が合った。


バッチリ合った。



柾樹は寝てなんかなくてバッチリはっきり瞼を開けていた。



「………。」


そんな柾樹はフッと口元を緩めて緩やかな弧を口元に描いた。

頭に回った柾樹の手は優しく髪を掬いとる。



―ドキドキドキドキ―

私の心臓が早鐘のように高鳴る。


近付いてくる綺麗な柾樹の顔…

…ヤバい!昨日と同じ状況になってしまった。


そう思った時にはもう遅くて私は柾樹とキスをしていた。




―私の事どう思ってるの?―



そんな事聞ける勇気もなく私は柾樹にされるがままだった。