ご飯を食べ終わった私と柾樹はTVで放送されていた映画を見ていた。
それは私が見たいと思っていた映画。
大好きな好きなラブストーリーもの。
柾樹は楽しいのかわかんないけれどソファーに座ったまま動かない。
「……こーゆーの見て楽しい?」
しばらく見ていると、不意に柾樹が聞いてきた。
「楽しいよ。すっごい好きなんだけど。だってドキドキするじゃん」
「…まぁ彩音はこうゆう甘ったるい映画好きそうだな」
言いながら柾樹はだるそうな視線をTVに投げる。
だったら見なきゃいいじゃん。
そう思いながらも言わないのは、一緒に見れて嬉しいからかもしれない。
しばらく見入ってたらいきなり激しいラブシーンになってしまった。
…おぉう…。
きっ…気まずい…
すっっっごく気まずいんですけど。
どんな反応するべき?
明らかにオロオロする私は不審な動きをしているのに、そんな私を余所に絡み合う異国の男女。
まさか好きな人とこんな激しいラブシーンを見る羽目になるなんて思ってなかった私は内心焦った。


