【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤



ご飯ができ柾樹を呼ぶ。
今日柾樹はバイトがないから私の家でご飯を食べる。



最初は柾樹の分のご飯を作るかどうか迷ったけれど、美菜にも言われたってのもあって私は普通通りに接する事を決めた。



…できるかはわかんないけど。



携帯のメモリから柾樹の番号を引き出して、通話ボタンを押した。
ドキドキする胸を押さえつつ無機質な電子音を聞く。


その音はまるで何かへのカウントダウンに聞こえた。



「…はい」


ちょっと眠そうな、不機嫌そうな柾樹の声。


寝起き…?
てか、こんな時間に寝てたの!?



「ご飯作ったよ〜うち来るでしょ!?」


頭の中で浮かぶ疑問は消して、用意しておいた言葉を明るく言う。


「お〜わかった今行く」


そう言って切れた電話。


…普通にできてた…?
ふぅっと胸を撫で下ろす時間もなくすぐに柾樹が来て私達はご飯を食べた。


「今日ねバイト受かったって電話があったよ!」


「…よかったじゃん。いつから?」


「来週の月曜からだよ〜」


「そっか。頑張れよ」


…そう言った柾樹は少し不機嫌そうに見えて


「でも今まで通りにご飯は作るからね!!」


「おう。サンキュ」


終始喋り続けた私は不自然だったと思う。