「"ただしたかったから"って言ったんだよ!?どう思う?」
私はトイレに行きながら話の続きをした。
「…だいたいわかったわ…」
「しかもさっきなんて何もなかったみたいに話てきたじゃん?…不機嫌だったけど。私どうしたらいいかわかんないよ!」
心の不満を美菜にぶちまけた私ははぁはぁと肩で息をした。
最後には勢い余って大声になってたから、道行く生徒が私に振り返っていたけれど今はそんなの気にしないくらい頭に血が上っていた。
「私にはただしたいってだけでキスする様な奴には見えないけどさぁ…でも向こうが普通に接して来てるなら、普通にした方が良いんじゃない?」
「私普通…にできるかなぁ?」
てか普通って何?
私今までどうやって柾樹に接してたっけ?
「……また次してきそうになったら聞いてみた方が良いと思うわよ。私の事どう思ってる?って」
うんうん唸る私にくれるアドバイスだけれど
「そんな勇気あったら苦労しないよ〜!」
私と美菜とでは思考回路が全く違うようで、残念ながら私には実行できそうにないアドバイス。
「でもそこは彩音が聞かなきゃ誰も代わりに聞いたりなんてしないわよ。
このままの関係でも良いなんて考えちゃダメよ?…そんな事考えてる内は絶対に聞けないわね」
「…わかってる」
うぅ…
美菜は恋愛に関してスパルタ。


