「「おはよー!」」
教室に戻ると既に登校していた美菜と悠士君は、私に気付いて挨拶をした。それにおはようと返して
「…美菜ちょっといい?」
昨日の事を美菜に相談したくて仕方のない私は、美菜を教室の端っこに呼ぶ。
「どうしたの?何か進展あった〜?」
私の焦燥感なんて知るはずのない美菜は、わくわくした目を向けてあっけらかんと笑う。
………。
進展なのか後退なのか…
私は小声で昨日の事を告げる。
「えぇ!?したの?」
「したんじゃないよ。されたの」
驚きの顔をする美菜に私は冷静を装いながら言ったけど
「で!?どーだった!?」
美菜はそれはそれは楽しそうに聞いてきた。
ここで話が終わったらハッピーエンドなのに。
…私にはハッピーエンドなんてないのかもしれない。
「それが…した後に…」
そう言いかけた時、勢いよく教室のドアが開いたから思わず私は口を噤んだ。


