カタカタ…

マカはリビングで相変わらずパソコンの画面を見ていた。

が、ふとその手を止める。

画面が一瞬にして黒に染まった。

するとぐにゃり…と歪み、やがて一人の人物が画面に映った。

「―久しいな、コウガ」

「今晩は、マカ。まさかキミの方から連絡をくれるとは…。何かあったの?」

「ちょっと調べて欲しいことがあってな。それを成してくれたのなら、お前達への追っ手を引き上げさせよう」

「それは良いお話だね。シキ」

コウガの後ろには、赤い髪と眼を持つ青年・シキがいる。

「どこまで本当かは分からないがな」

シキは歪んだ笑みを浮かべて見せる。

「信じる・信じないはそっちに任せる。で、どうだ? コウガ」

「うん、良いよ。逃亡生活にもうんざりしていたしね。で、どんな依頼?」