「マノンは少し、喰らい過ぎだよ。エサを探す方の身にもなってよね」

「探してもあまり栄養にならなかったり、また姉さんに邪魔されたりで、良いエサにたどり着いていないじゃん」

リウの手から、鳥が飛びたつ。

二人はその後を追う。

崖近くに、その教会はあった。

「建物自体はキレイだね。元は空き教会だったのを、例の団体が直したみたいだけど」

「そうじゃなきゃ、潜伏するのが難しかったんだろう? それに問題児も集められない」

「まあマノンの言う通りだね。ちゃんとしているように見せなきゃ、集まるもんも集まらないだろうし」

リウはそう言って、正面の木の扉を開けた。

そして二人の眼に映ったのは、巨大な黒き十字架。

だがその左右はまるで翼の羽のように見え、そして十字架の頭は蛇のような形をしている。