玲Side
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煌の元気が戻っているようだ。


完全ではないにしても、櫂の思惑通りだ。


芹霞と煌のやりとりを見ている限りにおいて…2人の間に、特別な進展はなかったらしい。


顔を染め合うことはない。


2人きりの夜のベッド。


そんな状況で、煌は芹霞に何もしていないなど…まるで夢みたいだ。


そこまで元気がなかったのだろうか。


櫂は煌を見抜いている。


そしてそんな煌を元気付けたのは、きっと芹霞の力。


それが出来ると信じているからこそ、櫂はあえて2人きりにさせたんだ。


僕が…入り込めない幼馴染の信頼の絆。


僕の予想を超えるだけの、純粋で強い絆。


酷く…羨ましい。


盛ってばかりの煌を、信じ抜ける櫂の度量が…羨ましい。


しかも四面楚歌の状況下、櫂だって余裕などないくせして。


ああ――


僕は…いつも自分のことばかりで。


そう思えば。


櫂と僕との差を、はっきり見せつけられた心地だった。



悔しいな。


男として。


人間として。