私達は他愛のない話をしていた。 横断歩道で幸夜のほうを見ていたので、人にぶつかってしまった。 「すみません。」 「いえ。」 「百合、ちゃんと前を向いて歩けよ。」 「うん。」 あっ。 ぶつかった衝動で、幸夜への誕生日プレゼントを落としてしまった。 「百合!!!」 私は拾って、横を向いた。 トラックの急ブレーキの音が聞こえたから。 私は、はねられそうになった。