「じゃあタロットにしよっと」
あたしはカード占いに決め、ぞろぞろと1室を潜る。
「いらっしゃいませ」
アラブ人のように、頭から紫のベールを被って目だけだした女性が1人。
「ええと…どちらの?」
男達の美貌に面食らって、少々のけぞり気味だった。
「まずはあたし」
「まずって、俺達もやるの!!?」
煌が眉間に皺を寄せながら声を上げる。
「勿論。あたしの後、櫂、玲くん、煌、桜ちゃんの順ね」
別にその順に特に意味はない。
「俺も……?」
昔の櫂は占い好きだったくせに、何その複雑そうな顔。
「そう、櫂も」
「では…生年月日を教えて下さい」
占い師が言った。
「タロットなのに、誕生日が必要なの?」
「単発で占いも出来ますが、複数を組み合わせれば多角的に判断できますので」
「じゃああたしから。7月20日」
「獅子座ですね。それで占いは何を?」
「勉強「恋愛運」
玲くんがにっこり笑った。
「え、でも一番の関心ごとはテスト「恋愛運で」
櫂もにっこりと笑った。
「ねえ、恋愛なんかより勉「恋愛運!!!」
煌までも同調した。
この男達…女の子より、余程オトメだ。
あたしより、どうしてオトメ?

