お前、凄いよ。
お前の関わる人間は、皆いい奴になっていく。
俺も…そうだといいけれど。
「んまあ!!! 主人は国会議員ですの!!! 貴方達の顔は覚えたわ、主人に言って潰してやる!!!」
鬼女の如く。
権力を振りかざすモノの行く末なんて、決まり切っている。
気配があるんだ。
「俺も…貴女の顔は覚えました。槙下美智子さん。うちの煌にかかせた恥、責任とって貰いますよ?」
くつくつくつ。
深みのある声。
「!!! 誰!!!?」
「見忘れですか? 先日の首相のパーティーの際、ご挨拶差し上げましたが?」
漆黒の髪。
憂いの含んだ漆黒の瞳。
「紫堂櫂と申します」
迸る威圧感。
俺は…1人じゃねえ。
いつでも俺の周りには、俺の大好きな奴が居る。
そいつらは俺を見捨てない。
「ふふふふ。明日の朝刊…楽しみにしていてね」
えげつねえ白い王子様。
悲鳴を上げた女の…SPか何かが飛び込んできて。
横から小さな黒い影が、一瞬で――男を地に伏せた。
ゴスロリの警護団長。
その時、周囲から拍手がして。
「いや~よかったよかった。そこのネエちゃんと幸せになれよ~」
「公開プロポーズ、また見せてくれよ~」
気のいい奴らに笑顔向けられて。
俺も調子に乗って手なんか振ってみたりしたんだけど。
「――で。
公開プロポーズって、何だ?」
射竦めるような黒い瞳。
「何を……やらかしたのかな、煌?」
えげつねえ鳶色の瞳。
「……馬鹿蜜柑」
助けてくれねえ、女装男。
「こ、これはわけがあって…芹霞、お前何で逃げるんだよ!!!」
「…ワンワンって、オチが好きだよね」
「……ふう。成長のない奴だ」
Fin.
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廻れ――
巡れ――
いつでもお前の笑顔に続くように。

