シンデレラ★バレンタイン

* * *


「ひゃー!終わったぁ!ありがとー瞬!ものすごぉーく助かった!」

「真姫にしちゃ良く頑張った。偉い。」


そう言って瞬が優しく頭を撫でてくれる。


「えへへ、ありがと!」

「つーわけで12時過ぎたし、チョコちょーだい。」

「は?」

「なんだよ、もうバレンタインだろ?」

「そ、そりゃそうだけど…。」

「真姫は学校じゃ恥ずかしがってぜってぇくれねぇじゃん。
頭使ったから糖分欲しいし。」

「そ…そうかも…だけどっ…。」


反撃できない。
今は…ふ、二人っきりだからこそこうして素直でいられるけど…。
学校じゃきっと、元に戻っちゃう。


「…口に合わなくても怒んないでよ?」

「なんで俺が怒るんだよ?怒るわけねーだろ。」

「も、持ってくるからちょっと待ってて!」

「おー。」


ソファーにもたれて身体をぐーっと伸ばす瞬をリビングに残し、あたしはキッチンに向かった。