「じゃあ真姫、お邪魔しました。」
「り…里穂ぉ…ホントに帰っちゃうの?」
「…当たり前でしょう?何が悲しくてカップルの間に挟まれていなくちゃいけないの?」
「でも…いつも3人でいるじゃん!」
「そうね。でもその〝いつも〟の状態を打破するためのバレンタインじゃないの?」
「そ…それはっ…!」
「ねぇ、真姫。」
「…な、なに?」
里穂が一度、目を伏せて少し言葉を濁した。
そしてゆっくりと視線を上げて、あたしに目を合わせる。
真っすぐで大きな瞳があたしの心を強く揺さぶる。
「私も…少しだけ踏み出してみるから。
だから真姫も少しだけ踏み出す、っていうのはどうかしら?」
「え…?」
「…貴也に言ったこと、ないの。『好き』だなんて。」
「そ、そうなの?」
「そう。だから私、真姫よりも全然何も出来ていないの。」
「……。」
「今の真姫の立ち位置に並べるくらい…頑張るから。
真姫もちゃんと、瞬に素直になって。
真姫なら言えるし、瞬ならちゃんと抱きしめてくれるから。」
里穂はくるりとあたしに背を向けて、ドアを開けた。
「り…里穂ぉ…ホントに帰っちゃうの?」
「…当たり前でしょう?何が悲しくてカップルの間に挟まれていなくちゃいけないの?」
「でも…いつも3人でいるじゃん!」
「そうね。でもその〝いつも〟の状態を打破するためのバレンタインじゃないの?」
「そ…それはっ…!」
「ねぇ、真姫。」
「…な、なに?」
里穂が一度、目を伏せて少し言葉を濁した。
そしてゆっくりと視線を上げて、あたしに目を合わせる。
真っすぐで大きな瞳があたしの心を強く揺さぶる。
「私も…少しだけ踏み出してみるから。
だから真姫も少しだけ踏み出す、っていうのはどうかしら?」
「え…?」
「…貴也に言ったこと、ないの。『好き』だなんて。」
「そ、そうなの?」
「そう。だから私、真姫よりも全然何も出来ていないの。」
「……。」
「今の真姫の立ち位置に並べるくらい…頑張るから。
真姫もちゃんと、瞬に素直になって。
真姫なら言えるし、瞬ならちゃんと抱きしめてくれるから。」
里穂はくるりとあたしに背を向けて、ドアを開けた。



