白夢ー善悪と妖怪ー

北斗は水盆から少し離れた所に立ち、心樹天爛の術を唱え始めた。

「己の誠を忘れし者と忘れし者の誠を知りし者…」

神呪が始まると同時に椿の枝は青白い光に包まれた。

その光りは枝に巻かれた包帯を伝い二人の元へ。

「誠への途を繋ぎ、正しき樹へ。途は我がなす」


神呪が進むにつれて、蕾であった枝に変化が現れ始めた。

蕾が少しずつ膨らんでいき…一つずつ花が咲いていく。



だが変化は枝の蕾だけではなかった。

蕾が開く度に北斗の額には大粒の汗が浮かんでいくのだった。