痛みにかすむアメジストの瞳を瞬かせ、周囲をよく見廻してみた。



ぼんやりと霞む景色の中で、すぐそばにあるのは、背丈ほどもある大きな花の群れ。


それに、見たこともない大きな葉を持つ草たち。


その中に囲まれるように、守られるように、少女は倒れていた。



数メートル先には大きな木々が何本も立ち並び、ぐるりと少女の周りを囲っていた。


自分の身体の周りには囲むように、可愛い動物達が数匹いて、少女を心配そうにつぶらな瞳で見つめている。


遠くから聞こえてくるのは、小鳥の楽しそうなさえずり。


高い木々と、青い空に浮かぶ白い雲。


周りの全ての状況が、ここが深い森の中だと言っていた。



「―――何故、こんなところに・・・。確か、わたしは・・・・」


相変わらず襲ってくる頭の痛みに耐えながら、



少女は、記憶を辿ろうと、痛みを追い出すように額を押さえながら、頭をふった。