「3年2組、早坂未音」

「はいっ」



校長先生に差し出された卒業証書を受け取るのを、一瞬ためらう。

これを受け取ってしまったら、高校生活は本当に終わりなんだ。


それでも、涙でぼやけた視界のまま、思い切り笑顔で皆を見た。



ねぇ、あたし、この高校に入れて良かったです。

みんなに会えて良かったです。



柊に、瑠奈に、楓くんに、羚蘭ちゃんに、クラスのみんなに。


出会えて良かった。