「楓、ボタンちょうだい!」
「あ、ずるい!あたしも!」

うちの高校はブレザーだから第二とかは関係ないかと安心してたのに…。

ブレザーはもちろん、ワイシャツのボタンまで全て無くなった。


「楓先輩ボタン…」
「あー、ごめん。もう無いや」


シュンとする女の子と、恨めし気な目で睨みつけて来る男子たち。


一つだけ死守したブレザーのボタンを手で弾きながら、廊下で立ち止まる。