「早く帰るぞ」 そう言って少し不機嫌なまま近づいて来た奏は、いつもより優しくて。 「歩いて帰れるか?チャリにする?」 正直、歩くのはキツい。 …でも奏、今日歩きで来たのに…。 わざわざ一度家まで取りに行かせるなんて出来ない。 「大丈夫!歩いて帰…っ」 ベッドから起き上がって、少し歩いてみたはいいけど…。 すぐにフラフラとベッドに倒れ込んでしまった。 あぁ…これじゃあ歩けないって言ってるようなものじゃん。