小悪魔の飼い猫



それでもあたしから目をそらさなくて。

なにも言わない奏はやっぱり生意気。


「…なんか言ってよ」

「んー?」


「なんで…あたしばっかり奏のこと好きにならなきゃいけないのっ…?」


奏は驚いた顔してる。



「もうイヤ…あたしばっか好きなんだもん。辛いよ…」


あたしは泣いてたから、視界がぼやけてたから…

気づいてなかった。


奏の顔が、赤かったことにも…


余裕なんかじゃねえよ

ってつぶやいた、奏の言葉にも。