「…何これ」


あたしが借りて来たレンタルDVDを見ながら、奏がつまらなそうに言った。


「恋愛映画だよ」

「つまんねぇ」



大好きな俳優の出てる、泣けるラブストーリー。

画面を呆れたような表情で見る奏を、軽く睨んだ。



「まだ始まったばっかりなんだから文句言わないでよ…」


クライマックスには、画面に近付いて号泣するあたし。



「うぅ…っ…ヒック…」