「社内報見たわよ!!!

号外なんて初めてよ。びっくりしたわ!

佐伯さんの彼は結城専務だったのね。」

設楽さんは、こないだの私の告白シ-ンを他の課の人たちに聞いて

自分が見られなかったことを残念がり、春日に行かせてもらえなかったことを

『自分だけズルイ』と憤慨していた。

荒川君は

「結好本気だったのに。」と残念がった。


ラボの中では設楽さんと、

大量の指示書のおかげで気まずさも感じず仕事に集中できた。

社内でも、社内報のおかげで、

一々細かいことも聞かれる事もなく助かった。

でも、社内の誰でも私達のことを知っているということが変な感じだ。

私の一挙一動を皆が見ている気がして身を小さくしてしまう。


社内報には、

私達の生い立ちや、今の状況などが、淡々と書かれていて、

今後の予定などが細かく知らせれていて、

噂のネタにならないように考慮してあった。

さすが、結城パパだ。

色々手を尽くしてくれたに違いない。


感謝してもしきれない。


定時になったが私の実験だけ終わらなっかった。

「お先に。」と設楽さんは帰って行き、

荒川君は、代わってくれると申し出てくれたがお断りし

一人ラボに残った。