「いいよ。 仕事、忙しいんでしょ?」 優しくにっこり笑う彼女は、大谷優梨(ユリ)。 菜々と同じ20歳で、大学生だ。 短大に行ってて、頭がいい。 大人っぽくて、菜々にとってはお姉さんみたいな存在。 2人は、小学校から高校までずっと違うけど、1年前に友達を通じて知り合った。 考えることも趣味とかも似ていて、すぐに気が合った。 優梨は、両親を3年前に亡くし、今は親代わりのいとこと一緒に暮らしていた。 「ねぇ菜々、また傷増えてない?」