「マナトくん、すごく幸せそうだよ。毎日一緒にいるからわかんない?」



…そう、私は毎日見ている。

嘘偽りのない、無邪気なあの子の笑顔を。



ほんの少し首を横に振ると、ショージさんは私をまるごと包み込んでくれるような穏やかな笑みを浮かべた。



「大丈夫だよ。マナトくんはお母さんのことが大好きだ。
幸せじゃなきゃそうは思えないよ、きっと」




──お母さん、だいすき!



そうよ……愛斗が満面の笑顔でそう言うのを、何度も聞いたじゃない。



──お母さんも、マナが大好きだよ。



本心で答えて、抱きしめてあげられるだけで十分じゃない。


そこにある幸せを、私はどうして忘れていたんだろう……。