「バイト、お疲れ」

 サッカー部の大橋君。


 がっちりとした体格で、一見怖そうに見えるけど。

 本当は気さくで。


 男子と話すのがなんとなく苦手な私でも、楽しく会話が出来る貴重なクラスメイト。




「ねぇ、何でここにいるの?」


 彼の家は店とは反対方向。

 こんな時間に、しかも店の裏手に回ってくるなんて。




「この前の話の続きをしようと思って。
 学校だと、お前逃げるし」


―――やっぱり。

 大橋君の姿が見えた時点で、彼の話の内容は大体見当がついていた。




「その話は、もう・・・・・・」

「でも俺は、柏木の事あきらめられない!」



 数日前、大橋君から告白された。


 その時もちろん断わったんだけど。




 傷つけたら悪いと思って、あいまいに答えたのがよくなかったみたい。