極上お姫様生活―2―【完】




これはあくまで、俺の憶測だけど。




「好き、だったんじゃないかな?その突き落としちゃった先輩のこと」



「っ、」





未來がハッと目を見開いて俺を見る。多分……、図星。








「……本当は大好きだったのに、迫ってきた先輩が怖くなっちゃって……気が付いたら手が出てました」




ただの正当防衛だったのに、彼女は事情も知らない人たちから責められ続けた……。





無意識に拳を握っていた俺を見て、未來が優しく笑った。







「ありがとうございます」



「え、?」





「話聞いてくれて。諦めないでって言ってくれて。……あたし、あなたみたいな素敵な人もいるんだって気付けました」







「俺は素敵な奴なんかじゃないよ」


蒼空に近付く男を見ただけで頭がおかしくなりそうになる。欲深くて嫉妬深い、最低な男なんだ。






だけど未來はふるふると緩く首を振って。



「いえ、今まで出会ってきた人の中で断トツでトップですよ!男ってだけで身体震えちゃうのに、今は全然平気ですもん」