八木原君の優しい言葉が胸に滲む。



「お役に立てたなら…嬉しいです、」





あの二人の笑顔が見れたんだから、それでいっか。








くしゃくしゃとあたしの髪を乱す八木原君を見つめる。



彼がいてくれて、本当によかった。





「八木原君、ありがとうございます」



「ん」




八木原君はあたしの頭の上から手を離し、今度は手を握ってきた。



慣れたその手つきにドキンドキン、胸が高まっていく。





握られた手がピリピリと熱い。同時に顔にも熱が分散する。







「今度は、俺たちの番だな」




どんな話なんだろう。あたしは、どんな事でも耐えられるかな。



でも、大丈夫。何があっても、八木原君を信じられる。






「覚悟はできてます」



「ショックを受けるかもしれない。でも、俺を信じて聞いてほしい」




当たり前です。大好きですもん。





「最初から信じてるので、安心して下さい」



握りあった手にぎゅっと力を込め、あたしはしっかりと八木原君を見つめた。