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「うまくいって良かったですね」



二人が仲直りしたのをこの目でしっかり見届けてから、あたしと八木原君は寮の共有スペースに移動した。





一人掛けソファーが4つ並べてあったけど、あたしたちは迷うことなく自然に内側の2つにそれぞれ座った。





ふぅ―――息が漏れる。






「緊張したか?」



八木原君があたしの顔を覗き込んで笑う。





肯定する代わりにはにかみながら、あたしは自分の手元に視線を移した。



「あの時…八木原君が松神先生を連れてきてくれなかったら、多分翼は……」






どうなっていたんだろう。憤りをあたしにぶつけてたのかな。泣き喚いたり、叫んだりしたのかな。




……何にせよ、あたし一人じゃ翼を救ってあげられなかった。




気持ち、分かってたはずなのに―――。








「んな顔すんな。あれは二人の問題だったんだから、蒼空が一人で解決できるわけねぇだろ?……それにお前はよくやってくれたよ、あの二人も感謝してる」