「許さなくてもいいよ。ただ、分かってほしかっただけ……あたしはこれまでも、これからも、みんなのことを大切に想ってる」





そう言ってにこり笑う蒼空。俺たちはどうして信じなかった?どうして裏切られたと思った?



蒼空がそんなことするはずないって知ってたはずなのに。






「謝るのは俺たちの方だろ。一方的に怒って、話も聞こうとしないで」




蒼空が、どれだけ辛い想いをしたか。彼女の気持ちを考えれば、後悔してもしきれない。






「ううん、違うよ。みんなは悪くない」




蒼空はふるふると首を振って否定する。謝らないで、と。





「みんなに言われて気付いたことがいっぱいあるんだ。みんながあたしのことをどれだけ想ってくれてたのか、とか、あたしがどれだけみんなを必要としていたのか、とか」





さっきから申し訳なさそうに俯いたまま顔を上げない遊哉の肩に、蒼空が優しく触れる。





ピクリ反応した遊哉がゆっくり身体を起こし、その手を握った。




「気付かせてくれてありがとう。あたし、みんなが大好きだよ」








蒼空はぐっと涙を堪えてる遥登を見て困ったように眉を下げながらまた笑う。









「俺だって好きだ。大好きだ」