「ねぇ、ゆな。 とりあえず鞄は下ろしなよ。」 あ、そうだった。 蟹歩きで、かつ『スクバで顔を覆ってる』って言うの忘れてたね。 「嫌だよ。 顔見えちゃうじゃん!」 「…はぁーっ。 そんな格好してたら、余計目立つから。」 愛未は呆れたように肩を竦めた。 「目立ってもバレなきゃいい!」 「櫻木悠希に?」 「うん…って、え!! 気付いてたの?」 愛未は驚く私に、信じられないって感じの顔を向けた。