声に四人は同時に視線を向ける

白いワンピースに、白いサンダル
そして、何もかも見透かしそうな感情の籠っていない碧色の瞳


「語り部…!?」

そう、目の前に立っているのは

今回の物語を紡ぐ…語り部


「お帰りなさい。ここは、長老会の本拠地…世界を見渡せる場所だよ。この部屋はその一部。」

その言葉に、四人は辺りを見渡す
一面白いこの一室が
長老会の本拠地…

「そして、ここが君達のゴール地点。」


「ってことは…。」

吉野の言葉に
語り部はゆっくり頷く

「君達の冒険は終わった。だからこの物語も、エンディングに向かうんだよ。」


冒険の終わり

それは…世界に平和が戻ったということ


「…やったぁ!」

歓喜の声を上げる吉野達
世界が平和になった

それが…とても嬉しかった


「…久しぶりだな、語り部。」

そんな吉野達から離れて
空は語り部を見据えた

「…久しぶり、空。」

フッと笑うその笑顔は
二年前とは何も変わらない


「まさかもう一度君に会えるとは思わなかった。急遽君を入れることになった時は驚いたよ。」

「…俺が復活すること、長老会の予想の範囲内じゃ無かったってことか?」

「勿論。」語り部はそう答えた

「でも結果的に、君のおかげで鎖邊を倒せたし、結果オーライだね。」

まぁ、俺じゃなくて彰のバカのおかげなんだけどな…


空は頭を掻いた

「本当、桐谷拓はいつもやることが突然だよ。」


その言葉に
空は「全くな。」と笑った

「…そういえば、冒険が終わったってことは…私達はどうなるの?」