名前の無い物語


勢いのまま
吉野は押し倒される

背中に、机の冷たさが感じられた

「っ、くっ…。」

立ち上がるとか、そんな事をするより前に
デュアンテは吉野に向かって飛ぶ

大きく振り上げられた、鋭い爪


だけど吉野は、避ける事無く力を振り絞って剣を握った


ザシュ、と嫌な音が部屋に響き渡る


吉野の目から数センチ離れた先に
彼に向けられたのであろう、鋭い爪があった 

一歩間違えれば目を殺られていた
だけど、吉野が無事な理由


それは…吉野が突きだした剣がデュアンテの胸を貫いていたから


「…捕まえた。」