次の日、薫は姿見の前に立って決然たる表情で自分を見つめていた。


新しくもらったリングを両手につけ、闘いの準備はできている。


自分には、いまや担うべき役目があり、そのために振るう力と場所が用意されていた。


自分に、本当にその才能があるのかどうかわからない。


だが、最後まで立っていられれば、それが全ての証になるだろう。


本部の出口に佳奈が待っていた。

薫は小さく頷き、決意を込めて言った。


「行こう」