泣きそうなあたしをなだめるように、後ろからしっかりと抱きしめてくれた。
そして、魔法のように安心させる言葉を言った陽。




「俺たちなら大丈夫」




“俺たち”……
その言葉だけでですごく、すごく安心したんだ。



そして、あっという間に滑って行った。





「大丈夫だっただろ?」


「うん」


「俺となら大丈夫。なにがあっても俺とならできるだろ」


「うん。 陽とならなんでもできる気がする」



「わかったならよし! いい子いい子」





あたしをなでる陽の優しい手つき。
それから、何回か一緒に滑った。


陽といる時間は、長いようでとても短い。

もっと一緒にいたいのに、時間は刻々と過ぎてった。





「そろそろ戻る時間だな」


「寂しい……」


「夜、抜け出す。会いに行くから」


「見つかっちゃうよ……」


「お姫様のためなら、なんでもいたしますよ」


「もお、陽ったら」





陽は、会うたびに素敵な人になっていく。
あたしは、そんな陽をますます好きになってしまうんだ