その後、今日のあたしたちは休み時間、授業中、話せる時間があるだけ由美と颯太くんの話を聞いて過ごした。



放課後。

あたしと陽は由美と颯太くんと出かけることになった。
言い出したらすぐに行動に移す由美。

Wデートがこんなにはやく実現することになるなんて……。


帰る準備を終えて教室にいると、3組から陽が来た。



……なんか、機嫌悪い?





「どうしたの?」


「眠すぎ……て……」


「家に帰って寝たら?」


「……ヤダ。 絢が一緒に寝てくれるならいい……」





今日の陽は本当に眠たそう……。
言葉がカタコトでなんだか、かわいらしい。

普段の陽とはまた違う、ぼやーっとしている


陽のこういうかわいいところ、もっと見つけていきたいな……。


あたしと手をつないで、眠たい目をこすりながら、陽は起きている。
こんなに無理しなくても……。





「絢、陽くん。 遅い」




由美と颯太くんは校門で約束していたから、先に颯太くんと校門で待っていた。





「由美、ごめんね! 陽がさっきからこの状態で……」


「ほんとに、眠気に陽くんは弱いんだから……」





そんな会話をしながらも、あたしは颯太くんが気になった。

あたしと陽を見る颯太くんの視線が痛い……。
でも、颯太くんには由美を幸せにしてほしい。


あたしは心からそう思った。 そのとき……





「じゃあ、行こっか!!」





由美の言葉が合図となって、由美と颯太くんがあたしと陽の前を歩き出した。

あたしは、陽を気にしながら手を引く。





「絢、あそこで遊ぼ」


「うん!! あそこなら陽も目覚ますかも」





颯太くんと由美は先に中に入った。

そこは……
バスケ、サッカー、スケート……いろいろなスポーツが楽しめる中高生に人気のスポット。





「ほら陽、2on2やらない?」


「バスケ……?」


「やらない?」