規則の守護者

茜と瑞緒は、微妙に違う。


どちらも、決まりを守ろうとしていることに変わりはないが、

茜には、違反者に対する、はっきりとした憎悪がある。

一方、瑞緒には、違反者への憎しみはない。

瑞緒は、違反を許さない、ただそれだけ。


「私は。

ただ、正しいことを、正しくやりたいだけなのよ」


茜は、うなずいた。

ただ、正しく生きたかった。
だから、それを邪魔する者は許さない。


やはり、瑞緒と茜は同質だった。


「僕、頑張ります。

失敗も、絶対少なくして見せますから」


瑞緒は、微笑んだ。
嬉しそうだった。


茜には、なぜ所長が「彼女は全然笑わない」と言ったのか、分からなかった。