規則の守護者

所長は不安げな様子で、机の引き出しをあさりだした。


「君の志望理由は……確か、『悪事が許せないから』だっけ?」


はい、と答える茜。

そうか、と、所長は憂鬱そうにつぶやいた。


「……君を、彼女の部下にしたのは、間違いだったかな。

君と瑞緒は、同質すぎる。
規則は破ってはいけないと、純粋に考えている所とかね」


茜は、なんとなく思い出した。

瑞緒以外の、監視班の班員が、仕事をサボろうと四苦八苦している姿。

規則違反や悪事を見逃してでも、自分達だけは楽しもうとする姿。


「高井さんは、立派な監視者だと思います。

高井さんのようになっては、いけないんですか」


そういうわけではないけど、と、所長は言葉を濁す。