規則の守護者

「瑞緒から色々聞いてるよ、君のこと。

頑張り屋だから、何かと面倒を見てやってる、とかね」


所長は、からかうように、茜の顔をのぞき込む。

いつもは、業務報告なんて「お疲れ様」の一言で済ませてしまうくせに、今日は機嫌がいいらしい。

茜の返事を待たずに、所長はさらに続ける。


「君も、大変な上司に気に入られちゃったね。

彼女、全然笑わないから、付き合うの大変でしょ?」