少女は、穴の前にいた。 前に使っていた穴がふさがれてしまったから、新しいのを探していたのだ。 やっと見つかった。 大きな穴。 外へと続く穴。 禁止という透明な言葉では、その穴はふさげはしない。 『いけない』 なぜ? 穴の向こうには、こちらと同じ景色が続いているだけだ。 禁止という言葉の有無だけで、人を縛ることなど、できない。 ……そう思ったから、少女は、金網へ手をかけた。