規則の守護者

ばふ、と先頭の子供が瑞緒にぶつかる。

ぶつかって初めて瑞緒の存在に気付いたらしく、その子は驚いたように顔を上げた。


「私2ばー……

……誰?」

「え、何、どしたの?……」


後から続いて来た4人の子供達は、穴の前で足止めされた友人を見て、次々に足を止めた。

瑞緒にぶつかった少年は、無言で4人の友人のもとへ戻る。


瑞緒は、ちらちらとこちらをうかがう子供達に再度、告げた。


「ここは立入禁止なのよ。

出ては駄目」


子供達は集まってひそひそ話をしていた。

だが、見知らぬ女に注意され、不満そうに、はあい、と返事をする。


「じゃ、どこ行く?」

「また明日、ここに来ればいいよ」


子供達は、そんなことをささやき合っている。