規則の守護者

そうしていると、いくつかの軽い足音と、甲高い声が、町の方から瑞緒へ近付いてきた。

瑞緒は、棒を片手に振り返る。


目の前には、鬱蒼と生える木々と茂み。

その茂みを震わせて、子供が5人、瑞緒の前へ現われた。

歳は7歳前後だろうか。


「僕1番ー!」


そう叫びながら、子供達は脇目も振らずに走る。

フェンスに空いた、穴目がけて。


「ここは立入禁止」


瑞緒は、穴の前へ立ちはだかった。