仕方がないので、瑞緒は小型情報板を片手に町へ見回りに出掛けた。


情報板は、使用者の脳内に埋め込まれた電極とリンクさせた、触覚式コンピュータだ。

大量の情報を瞬時に処理できる利点を持つが、脳の加工だという理由で、島の外では禁止している国も多い。


瑞緒は、脳へ電極を埋め込む手術をためらわなかった。

仕事のためなら、何でもする覚悟は出来ている。

いや。

仕事を任された以上、何をしてでも、やり遂げたかったのだ。