妹を撃たれた男は、ため息をついた。
「お前、俺の妹を知らないよな。
撃たれたあいつの優しさも、痛みも」
男は、そう吐き捨てて瑞緒を睨んだ。
冷たく澄んだ空気が、両者の間にある。
拳を握り締め、今度は少し語気を落ち着けて、彼は続ける。
「俺も、お前のことを何も知らない。
妹を撃ったということ以外は。
……だから。
俺は、お前を知りたい。
お前が何を考え、何を大切に思い、
……何をその銃へ込めたのか」
瑞緒は、男を見た。
聞いてくれるだろうか。
茜のことを。
規則違反の犠牲者のことを。
瑞緒は、かすかに微笑んだ。
「お前、俺の妹を知らないよな。
撃たれたあいつの優しさも、痛みも」
男は、そう吐き捨てて瑞緒を睨んだ。
冷たく澄んだ空気が、両者の間にある。
拳を握り締め、今度は少し語気を落ち着けて、彼は続ける。
「俺も、お前のことを何も知らない。
妹を撃ったということ以外は。
……だから。
俺は、お前を知りたい。
お前が何を考え、何を大切に思い、
……何をその銃へ込めたのか」
瑞緒は、男を見た。
聞いてくれるだろうか。
茜のことを。
規則違反の犠牲者のことを。
瑞緒は、かすかに微笑んだ。



