「ひど。あ、海斗クリスマスどうするの?」
「あー、そのことなんだけど愛加ごめん。バイト入ってさ」
「イブも?」
残念そうに微笑んだ海斗にあたしは全然いいよと明るい声をあげた。
「埋め合わせはまたメールするから、そろそろ帰りな?」
ものわかりのいい子でいなきゃいけないのは正直キツい。本当はイブも一緒がいいけど――
「わかった、じゃね」
信じているんだ、これでもまだ。好きなんだ、海斗のことが。
*
周りの様子がおかしいなと感じ始めたのは高校でだった。
「愛加ちゃん!なんで言ってくれないの」
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