「んじゃもう一回」 わたしはキスの最中には目を開けない。前に一度だけ開けてたんだけどそうしたら目の前にはうつろな彼氏の海斗がいて。 まるで焦点が合っていないような、心がそこにはないみたいな海斗がいた。 「ふぅ…海斗、息持たない」 「そんなことねえだろ」 そんなことないのは貴方だけだ、そう思いながら海斗の肩に寄りかかる。ガッチリした男の人って感じだ。 「すっごい筋肉質」 「お前言い方が変態みたいだけど」 「え」 嘘、とニヤニヤする海斗がうらめしい。