その言葉が、優しくて。
また、泣いてしまった。
「またお前泣くし」
「だって…」
「小せえ頃を思い出すな」
そうだった。小さな頃からあたしは泣いたら宙のあったかい胸に飛んでいって。頭をガシガシ撫でる宙が好きだった。
「宙…ありがと…」
「らしくねえよ。どうした」
「イブ、だから」
ちょっと響いたのかも。
そう呟けばさらに強く撫でてきた。あぁもう、ムードとかなにもないクリスマス・イブだ。
「愛加、明日は―」
「ん?」
「クリスマスケーキやけ食いでもカラオケで下手くそな歌を聴くのにも付き合ってやるから」
やけ食いもカラオケも
全部あたしのストレス発散法だ。


