家に入ろうと鍵を出したところでおばさん…愛加の母さんに呼ばれた。
「宙くん、愛加どうしたか知らない?」
「え、どしたんすか」
「昨日からなにも食べてなくて…寝たきりなのよ。本人熱だとか言ってるけど仮病に違いないのよ」
愛加がそこまで追い詰められてるなんて知らなかった。
「明日イブだから、なんとか元気になってくれたらいいんだけど。ごめんなさいね、宙くん呼び止めて」
「いえ……」
この胸のモヤモヤは幼なじみじゃない、女として愛加が好きだからだ……
俺は買ってきた缶コーヒーのプルタブを開けて、無理やり口に流し込んだ。


