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いつの間に朝になったんだろう。制服のまま、ベッドにダイブしてから記憶がない。
「………」
アドレスもケー番も消すべきものは全部消した。
でも心の中にある存在はとてつもなく大きくて、消せなかった。
すぐに走って行ったもんだから、宙からはメールも電話も半端なかった。でも出られなかった。
「バカみたい……」
あの時のキスも思い出すだけで涙しか出て来なくて、あたしはまた毛布に潜った。
side*宙
電話もメールも来ない。仕舞いには着信拒否されているみたいだ、俺。
気晴らしにコンビニにでも行ってみたけど目につくのはハーゲンダッツの抹茶とか極細ポッキーとか、
「愛加の好きなモンばっか…」
俺は苦笑しながら、クリスマスムードの街を抜けた。
明日、クリスマスイブか――


