兄妹の会話にはやっぱりついていけない。

過ごしてきた時間が違うもんね。


『じゃぁ、後のことは頼む。』

『了解。』

「戻るんですか?」

『うん。でも、仕事終わったらまた来るから。』


いくとさんの言葉に、安心して頬が緩む。


『せりなちゃんが心配でほっとけないんだよねー?』

『おい、智愛っ』

『はいはい。』

「??」


いくとさん、顔赤い…?

大丈夫かな?


『じゃ、芹那ちゃん。またね。』

「ぁ、お待ちしてます。」

『うん。』


優しい笑顔を残して、いくとさんは去って行った。