どこの会社なんだか知らないが、自分には結婚する意志なんて無いと伝えると、母親に京都へ連行された。 「かなり、楽しくない。」 お世辞を言うことなく、聖は男と目も合わせない。 男は聖より五歳程年上で、そんな聖の態度を咎め無かった。 「何か面白いものでもありましたか?」 ずっと池を見ていたことを言っているらしい。ポチャン、と池の中にいる鯉が跳ねた。