パチンと指を鳴らした瞬間。

全ての記憶に色が戻る。

「マティ・・・アス?」

「遅いっ!
見た瞬間に思い出してくれてもいいじゃないか!」

どこまでも不服そうな顔。

「だって・・・だって・・・」

「ごめん、無理矢理 記憶消して。
いや、それ以前に、君を追い返した。

ずっと後悔してた。

キミの最後の言葉。
キミは自分の意志で、残ると言った。
無理強いじゃない、とも言った。

あの時、帰さなければ良かった。

ごめん、本当にごめん」